ウォルナットキャニオン国定公園 断崖に作られた12世紀頃の住居跡は見応えあり!

アメリカ

今年最後6回目のアメリカ個人旅行

年6回のアメリカへの個人旅行を実践して3年目。 2017年最後のそして6回目のアメリカ個人旅行では11月の丸々1か月間をアメリカで過ごしてきます。 ラスベガスを起点にネバダ州、ユタ州、アリゾナ州の自然を楽しむ予定です。 この1か月間の旅のあらましはこちらの記事に、一連の旅行記事はこちら(2017 11月 アメリカ(モニュメントバレー、The Waveなど))に順次追加してゆきます。

米国1か月間の旅行 ~ DAY 21~22

今回は米国への出発から現地出発までがちょうど30日間です。

何日目かが分かるように、DAY X でカウントしていくことにします。

モニュメントバレーで5泊6日の滞在を楽しんだあと、DAY 21にモニュメントバレーからフラッグスタッフへ、そしてDAY 22にセドナへ移動しました。 その途中には、4か所の National Monument(国定公園)が点在しています。

各国定公園(国定記念物)、モニュメントバレー、フラッグスタッフ、そしてセドナの位置関係は次の地図の通りです。

DAY 21 と DAY 22に4か所すべての国定公園に立ち寄ってきました。

DAY 21

ナバホ国定公園 (Navajo National Monument)

ウパトキ国定公園 (Wupatki National Monument)

サンセットクレーターボルケイノ国定公園 (Sunset Crater Volcano National Monument)

DAY 22

・ウォルナットキャニオン国定公園 (Walnut Canyon National Monument)

今日は、その中の ウォルナットキャニオン国定公園 (Walnut Canyon National Monument) を紹介します。

ウォルナットキャニオン国定公園 (Walnut Canyon National Monument)

ここでは山奥の断崖にある約800年前のアメリカ原住民シナワ族 (Sinagua) の住居跡を見ることができます。 シナワ族は西暦1125年~1250年の間この地に住んでいたと考えられています。 ウォルナットキャニオンのウォルナット(Walnut)はクルミを意味します。 ここの谷底にはクルミの木が多く生育していることからこの名前が付けられました。

ビジターセンターでもらえる案内冊子。この冊子に記載されている情報をもとに日本語に書き下ろしました

Sinagua はスペイン語で “without water” という意味。 乾燥していて住まいに適さない土地を自分たちの我が家にしてしまう逞しさを称えてこのように呼ばれています。

考古学者は当初は近くにあるサンセットクレーターボルケイノ(火山)の噴火によってこの地が肥沃になりシナワ族が移り住んできたと考えました。 しかし、最新の研究では雨が多く降るようになり、さらに少ない水での農耕を可能にする技術の発達(アリゾナ周辺はもともと乾燥している)、人口の増加などが理由で新たな地を求めてここへ移住したと考えられています。

断崖の石灰岩 (limestone) 層は何百万年にもわたる年月の間に雨水で溶け出して自然のくぼみができていたので住居に作り変えるのが容易だったと見られています。

この断崖の住居に暮らしていたシナワ族は西暦1250年頃に他の場所 (Anderson Mesaというところの近く) へと移住しました。 その理由はまだ明らかになっていませんが、その後シナワ族はHopi という部族に吸収されてしまったと考えられています。

19世紀までは、この断崖の住居は荒らされることなく昔の姿をそのまま残してきました。 1880年代になって、鉄道が発達し旅人が押し寄せてきて断崖の住居に残されていた昔の産物をお土産として持って帰ってしまったそうです(原文ではsouvenir hunterとなっています)。 このような盗難や破壊からこのキャニオンを守ろうとする活動が活発になり、保護していくための国のサポートも受けることができるようになりました。 その後、1915年にウォルナットキャニオンは国定公園の指定を受けることになったのです。

アメリカの国立公園管理局 (NPS, National Park Service) が運営するウォルナットキャニオン国定公園 (Walnut Canyon National Monument) のオフィシャルサイトです。

Walnut Canyon National Monument (U.S. National Park Service)
Since time immemorial, Indigenous Peoples have lived and traveled throughout Walnut Canyon’s dynamic landscape. Vibrant communities built their homes in the cli...

フラッグスタッフからすぐです

https://www.bestwestern.com/

 

グランドキャニオン(サウスリム)、セドナ、モニュメントバレーなどのアプローチに便利なフラッグスタッフという街に宿泊した翌朝、ウォルナットキャニオン国定公園へ向かいました。 宿泊したホテルはBest Western Pony Soldier Inn & Suites という手頃な宿泊料金の宿。 そこから車で僅か20分です。

 

 

 

下の地図でI-40のすぐ北側に並行して走っている道路はルート66です。

エントランス

ウォルナットキャニオン国定公園 (Walnut Canyon National Monument) のエントランス(この場所には料金所はありません)。 お決まりの写真です。

ビジターセンター

こちらがビジターセンター。

ビジターセンターの中で、国定公園入園料金を支払います。 16歳以上の入園者は1人8ドルです。 アメリカの国立公園・国定公園ではクルマの車両単位で料金を支払うケースが多い中、ここでは人数ベースです。 国立公園の年間パスを持っていれば、パスで入ることができます。 エイドリアンが年間パスで入る際、IDの提示を求められました。 パスポートの写真ページを見せれば大丈夫。

早速トレイルへ

ビジターセンターで、どこを歩けばよいか簡単に説明してもらいました。 Island Trail(アイランドトレイル)を歩けばここへ来た価値ありです。

クリックすると拡大します。

トレイルマップです。約1.6キロメートルの舗装されたループトレイルです。 56メートル(273段の階段)の標高差があります。 下の地図の”You Are Here”から右手の方に進みます。

何がIsland Trailかというと、下の写真のように周りよりも標高がぽつんと高くなった島みたいになっている山の斜面をぐるりと歩くからなのです。

スタート地点の標高は約2000メートルです。

ハイキングに出発

水を持って出発です。 クリックすると拡大します。

ループトレイルの分岐点です。 クリックすると拡大します。

アイランド部分に住居跡があります

ぐんぐん下に降りてきました。 いよいよアイランド部分へと進みます。

最初見たときは、おおっ、という感じ。崖が刳り貫かれ、間を区分けするような壁がレンガで作られています。 クリックすると拡大します。

こちらは倉庫だったのでしょうか?

対岸にも山の斜面にくぼみがあります。 こちら側と同じような住居跡があります。

クリックすると拡大します。

背の低いくぼみです。

乾燥した土地ですが、峡谷の底には水が流れることもありました。 乾季に備えて水を備蓄することも行われていました。

こういった住居が数多くありました。 一部は倉庫などもあったようですが、あまり区別はつきませんでした。

数は多くありませんがところどころにサボテンが生育していました。 乾燥地帯です。

ここに住んでいた原住民シナワ族 (Sinagua) がどういった暮らしをしていたのだろうかと想像しながら歩きました。

ループトレイルも終わりに近づき、ビジターセンターが見えてきました。

ビジターセンターに戻りました。 いい汗をかきました。 アメリカの空は、飛行機雲が雲の種になって日中、時間がたつにつれて雲が広がっていくということが良くあります。

案内板

Island Trailを歩いている途中、多くの案内板がありました。 クリックすると拡大します。

動画を残しておきます

ウォルナットキャニオンの渓谷を動画でお楽しみください。 絶壁に足が竦みます。

Googleによる自動編集動画(写真と動画の組み合わせ)です。 音楽が入っています。

まとめ

アリゾナ州フラッグスタッフという街の中心部から車で20分程度の場所にあるウォルナットキャニオン国定公園、ここでは山奥の断崖にある約800年前のアメリカ原住民シナワ族 (Sinagua) の住居跡を見ることができます。 シナワ族は西暦1125年~1250年の間この地に住んでいたと考えられています。

断崖の石灰岩層は何百万年にもわたる年月の間に雨水で溶け出して自然のくぼみができていたので住居に作り変えるのが容易だったと見られています。 この断崖の住居に暮らしていたシナワ族は西暦1250年頃に他の場所へと移住しました。 その理由はまだ明らかになっていませんが、その後シナワ族はHopi という部族に吸収されてしまったと考えられています。

シナワ族が僅か100年程度しか暮らしていなかった住居は、荒らされることなく昔の姿をそのまま残してきました。 1880年代になって、鉄道が発達し旅人が押し寄せてきて断崖の住居に残されていた昔の産物をお土産として持って帰ってしまいました。 このような盗難からこのキャニオンを守ろうとする機運が高まり、1915年にウォルナットキャニオンは国定公園の指定を受けることになったのです。

ブログ記事内では多くの写真そして動画を用いてこのウォルナットキャニオン国定公園を紹介しています。 なかなか見ごたえがあります。 ハイキングコースとしても無理なく歩くことができます。

グランドキャニオン(サウスリム)、セドナ、モニュメントバレーまで足を延ばすなら、折角の機会ですから、フラッグスタッフ周辺にある3か所の国定公園である、サンセットクレーターボルケイノ国定公園ウパトキ国定公園、そしてこのウォルナットキャニオン国定公園を旅程に組み込んでみてはいかがでしょうか?

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