日本最南端の有人島 波照間島へ
沖縄には年6~7回は来ていますが今回初めて波照間島(はてるまじま)へ渡りました。 波照間島は日本最南端の有人島です。
波照間島で自転車を借り、島内を1周しました。 9月末でしたが、さすがに南の島、日差しが強かったです。 日焼け止めをたっぷりと塗りましたがよく焼けてしまいました。 気温が高く持っていった500mLのペットボトルの水はみるみる減っていきました。 一旦、島の周回道路に出てしまうと飲み物を売っているようなところも自動販売機もありませんでした。 実は、エイドリアン、後半にバテテしまい、残り少ない水をどのように飲もうか、ひょっとしてこのまま倒れてしまうのではないか、助けを呼んだ方がいいんじゃないかという状況にまでなったのです。 これはオーバーな表現ではなく、本当に「命の危険を感じた」のです。 詳しくは後ほど。
波照間島へのアクセス
島内には波照間空港がありますが2008年を最後に利用されていません。 現在では、石垣港離島ターミナルからの高速船を使って波照間島へ渡ることになります。
石垣港離島ターミナル内の写真です。 いくつかの海運会社が離島間を結ぶ定期船航路を持っていますが、波照間島へは安栄観光だけになります。
安栄観光の船便の乗車券は、ネットで予約すると5%の割引きになります。
この写真にある時刻表は2017年9月末までです。 最新の時刻表はこちらからダウンロードできます。
高速船で波照間島へ向かいます
石垣島利用ターミナルを桟橋側に出ると具志堅用高さんが出迎えてくれます。
この日の朝一の8:30発の高速船は奥側の船になります。 小さいです。
この桟橋を進みます。
船内の様子です。
シートベルトはしっかりと締めましょう。 高速船は相当揺れます。 そして何度か、高速船が宙を飛んでいる感覚を覚えました。 乗客の皆さん、最初はシートベルトをしていない方が多かったみたいですが、出発してから数分内に自主的にシートベルトを締め始めました。
1時間少しで波照間島に到着です。
これが乗ってきた高速船です。
自転車を借りました
船を降りると、車、バイク、電動アシスト自転車、そして普通の自転車のレンタルの勧誘の札を持った方々が待ち構えています。 エイドリアンが選んだのは、西浜荘のレンタル自転車。 歩いて行っても数分の距離ですが船着場から車で連れて行ってくれます。
レンタル自転車(変速付き)は1日借りて1000円です。 1周約12キロメートルの小さな島なので通常の自転車でもいいか、と思ったのですが、結果から言うと、電動アシスト自転車にしておけば良かったです。 途中海風に煽られ、そこそこきつい坂道もありでかなり体力を消耗しました。 電動アシスト自転車は1日借りて2500円です。 電動アシスト自転車は人気があるようで、早くに出払ってしまっていました。 予約する方がよさそうです。
波照間島のサイクリングに出発
元気に出発しました。 波照間旅客ターミナルの近くにある西浜荘の前の坂道を上り、島内の周回道路に出て、そこを起点に反時計回りで回りました。
波照間島の周回道路に出てすぐのところにあった自動販売機。 都会に住んでいるとどこにでもある自動販売機ですが、波照間島では違いました。 500mLのペットボトルの水を持っていたので問題ないだろうと、この自動販売機をやりすごしたのです。 しかし、この判断が、のちのち。。。
北浜(ニシ浜)
タイプミスではありません。 北浜と書いて「ニシハマ」と読みます。 沖縄地方の方言で「北」のことを「ニシ」と言うそうなんです。 なんとややこしい。
周回道路を右手に降りて海からの気持ちいい風を受けながら下っていくとこんなにも美しい海が現れます。 うわぁー、という声しか出ません。
波照間ブルーとの別名を持つエメラルドグリーンの海、それに真っ白な砂浜が織りなすコントラスト。 波は穏やかで海水は驚くほどの透明度です。 八重山屈指の極上ビーチと言われる所以です。 泳ぐも良し(波照間島唯一の遊泳場所)、シュノーケリングをするも良し、砂浜に寝転がって寛ぐも良し、忘れることのできない最高の時間を過ごすことができること間違いなしです。
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珊瑚の浜
沢山の枝珊瑚が積みあがってできた珊瑚の浜。 まだあまり知られていないと言われているだけあり、地図によってはまだ載っていないものもあります。 Google Mapでは掲載されているもののそこへたどり着くルートが途中で途切れています。 途中に案内板などは何もありません。 西浜荘で借りた地図とGoogle Mapをにらめっこしながら、下のような道を自転車で走ります。
舗装道路の行き止まり地点がどうやら珊瑚の浜へのアクセスポイントのようです。 自転車を停めて林の中を歩きます。 途中、背の低い木が生い茂っているところがあり草木を掻き分けるように進みます。
突然現れるこの景色です。 広さは猫の額くらい。 本当に狭いです。
これが枝珊瑚ですね。
この波打ち際での音がとてもいいんです。 珊瑚がぶつかり合って、シャラシャラシャラと鳴ります。 動画では音声も拾っていますので興味がありましたらどうぞ。
浜シタン群落
浜シタンは、和名・ミズガンピ(ミソハギ科)と言う常緑低木です。 こちらも案内板等はなく分かりにくいです。 竹富町の天然記念物で樹齢数百年だそうです。
でもこの海辺に出ても、どれが浜シタンであるのかはよくわかりませんでした。
底名溜池展望台
この展望台に通じる道も良く分かりませんでした。 あっちか、こっちかと迷いながら到着です。 周回道路から右折する道は白いガードレールが目印です。 もう少し手前にも右折できる道(ガードレール無し)がありますが、そこからだとたどり着くことはできません。
名前の通り溜池の横にありました。 この展望台、らせん状の階段で上ることができます。 見晴らしがよく海が目の前に広がっていてとても気持ちがよいです。 展望台の上はそれほど広くありません。 安全柵のようなものはないのでくれぐれも足を踏み外さないようにしてください。
日本最南端の碑
底名溜池展望台を出発し、いよいよ日本最南端の碑へと向かいます。 途中、ヤギが飼われている場所がありました。 紐でつながれているヤギが歩き回れる範囲の草だけが食われて円形になっていました。
日本最南端の碑へは海辺に近いところを走ります。 海風が強く、そしてなだらかな上り坂が続きました。 自転車の変速をローギアにしてもなかなか前に進みません。 このあたりから体力の消耗を感じ始めました。 ペットボトルの水がみるみる減り、残り少なくなりました。 でも、このすぐ先にある星空観測タワーには自動販売機があるだろうと踏んでいたのです。
そんなこんなで日本最南端の場所に到着です。
まず最初に現れるのがこちら。 波照間之碑の入り口です。
入口からの道は、沖縄の祖国復帰に際し日本全国の石を使って二匹の蛇が絡みあっているように作られました。 「戦争で内地と離ればなれにならないように」という思いが込められています。 各都道府県の表示板とともに碑の表面に埋め込まれています。
沖縄県とエイドリアンが拠点とする近畿地方の府県の表示板だけですが写真に収めました。
クリックすると拡大します。
あれ、和歌山県の写真を撮り忘れてしまったみたいです。 申し訳ありません。
そしてこれが先端部の碑です。 沖縄の祖国復帰に尽力した大濱信泉書で「波照間之碑」と記されています。
こちらは戦後50周年の記念に竹富町が設置した碑です。
そして、もう少し先に行くと日本最南端之碑があります。 この碑はまだ沖縄が日本に返還される前の1970年に本土からの旅行で訪れた大学生・本郷雄次さんが自費(アルバイト費用)で建立しました。
奥の日の丸の碑とセットになっているのかと思ったら違っていました。 日の丸の方は、日本復帰記念の「波照間島之碑」です。
この日本最南端には、いろいろな碑があるのです。
波照間島星空観測タワー
有人島としては日本最南端にある波照間島では、北の北極星から南は南十字星などの数々の星を見ることができます。 ここは望遠鏡やプラネタリウムがあり、夜は星の詳しい説明もしてくれるという波照間星空観測タワーです。 1994年4月に設立されました。
開館時間や入館料金などは以下のリンクから確認できます。
お昼過ぎに到着したのですが正面の入り口はシャッターが少し開いた状態で下ろされていました。 スマホでモバイル接続し上記のオフィシャルサイトを確認してみると何と12:00~13:00まで昼休み。 シャッターの下から覗いてみると、中には飲み物の自動販売機らしきものがありました。
この時点でペットボトルの水はほとんど空っぽになっていました。 1時間近く待って飲み物をゲットするか、それともこの先に進むか? この日は石垣島からの日帰りで夕方の高速船に乗らなければならないのでここであまり時間を使いたくなかったのと、まあまだ大丈夫だろうと自分の体力を過信してしまい先へ進むことにしました。
波照間空港
ここからは少し上り坂がありましたがそれを超えると波照間空港に向かって下り坂が続き海風を受けながらとても気持ち良かったです。 しばらく進むと、滑走路の正面に出ました。
そして波照間空港のターミナルです。 2008年11月に石垣空港線が運休して以降は就航路線はなく緊急輸送等のみとなっています。
波照間空港の旧ターミナルは2014年10月に解体されましたが、新たな就航を目指して新ターミナルが建造されました。 2017年9月末のこの写真は鉄筋コンクリート構造平屋建ての新ターミナルです。
ひょっとしたら、ここに飲み物の自動販売機があるかもという期待を寄せていましたが自動販売機はありませんでした。 この時点でペットボトルの水は完全に空っぽになってしまいました。
体力消耗が激しく足が動かなくなりました
波照間空港からはなだらかな上り坂が続きました。 Google Mapで「自動販売機」を初めて検索しましたが出てきません。 日差しは強く、気温は高かったです。 体力消耗が激しく次第に足が動かなくなってきました。 この時点で、ヤバイ、と思い始めました。
あとで確認してみると波照間空港を出てからは写真を撮っていません。 本当に精神的にも余裕がなくなってしまったんだなと思います。
次第に汗の出が悪くなってきたように感じました。 ゆっくりゆっくり、木陰があればそこで休みながら進みました。 本当にゆっくりゆっくりでした。
意識ははっきりしているけど、ある限界を超えると意識がはっきりしなくなったり正常な判断ができなくなるのではないか、あるいは突然倒れてしまうのではないかという不安も出始めました。 誰か出会う人がいたら助けを求めようと心に決めましたがすれ違う人も追い越す人もいませんでした。
南共同売店
波照間空港から2時間くらいかけて民家があるエリアまでやってきました。 そこまでくると急に元気が出てきたのと、少し下り坂にもなり自転車で自力走ができました。 そしてやっと見つけた自動販売機。 本当に助かった、と思いました。
ここでペットボトルの飲み物を3本飲み干しました。 写真の右下にある椅子で1時間程度横になりました。 両足が攣って一人で痛~いと叫んでいました。
あとで調べてみると、ここは南共同売店というところで、日本最南端の売店だそうです。
無事波照間港へ
南共同売店がある辺りから波照間港へはひたすら下り坂でした。 十分余裕をもって自転車を返却し港へ戻りました。 これが石垣島へ戻るときの高速船です。
まとめ
波照間島は島内一周12キロメートル程度の小さな島ですが、日差しが強く気温が高かったです(2017年9月末)。 日本最南端の島を舐めてはいけません。 サイクリングで1周するのはとても気持ち良いですが、自分の体力を過信せずに、自転車にするか電動アシスト自転車にするか判断しましょう。 途中の海沿いを走るときは売店や自動販売機はありません。 十分な量の水を携帯しましょう。
島内にはあまり看板等はなく現在地や目的地の方角を確認するのは容易ではありません。 島内はどこにいてもスマホが電波を拾ってくれました。 紙の地図だけでなくGoogle Mapも活用するようにしましょう。
日本最南端の有人島、波照間島で是非楽しい、そして安全なサイクリングを楽しんでみてください。
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